GHGプロトコルとは?Scope1・2・3の違いをわかりやすく解説!
はじめに
脱炭素、カーボンニュートラル、温室効果ガス排出量の算定について調べていると、GHGプロトコルという言葉を見かけることがあります。
GHGプロトコルは、簡単に言うと、企業などが温室効果ガスの排出量を算定・報告するための国際的な基準です。
この記事では、GHGプロトコルについて、会話形式でわかりやすく解説します。
GHGプロトコルって何?

GHGプロトコルは、温室効果ガスの排出量を計算して報告するための国際的なルールだよ。

GHGって何の略?

Greenhouse Gasの略で、日本語では温室効果ガスという意味だね。

二酸化炭素とか?

そう。だけど、CO2だけでなく、メタンや一酸化二窒素なども含まれるよ。

なぜGHGプロトコルが必要なの?

でも、排出量って各企業が計算すればいいんじゃないの?

自由に計算してしまうと、企業ごとに基準がバラバラになって比較できなくなるんだ。

たしかに。A社は厳しく計算して、B社はゆるく計算したら比べられないね。

その通り。だから、共通のものさしとしてGHGプロトコルが使われるんだ。

共通のものさし?なんだか太閤検地みたいだね。

太閤検地によって全国共通の基準になり、税を公平に徴収できるようになったよね。
GHGプロトコルも、
企業ごとにバラバラだった温室効果ガスの測り方を統一するルール
だから同じだね。

排出量にも算定・報告の基準が必要なんだね。

スコープ1・2・3とは?

GHGプロトコルでは、スコープ1、2、3と分ける。

どうやって分けるの?

企業の排出量を、発生場所や関係性によって3つに分けたものだよ。
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| スコープ1 | 自社が直接出す排出量 | 自社工場の燃料燃焼、社用車のガソリン |
| スコープ2 | 購入した電気などに伴う間接排出 | オフィスや工場で使う電力 |
| スコープ3 | 事業活動に関係するその他の間接排出 | 原材料調達、輸送、製品使用、廃棄 |


スコープ1は自分が直接だしたものかぁ。工場とかなら確かに二酸化炭素を大量に出していそうだね。

そうそう。社用車でガソリンを使うものもあるから、割とどの企業でも発生するよ。

スコープ2は電気?あぁ発電するためには火力発電とかで、二酸化炭素が発生するもんね。

そう。自社では煙を出していないくても、主に購入した電気や熱などに伴う排出だよ。

電気を使うことで間接的に排出していると考えるんだね。
スコープ3が分かりにくい理由

スコープ3は・・・原材料調達?
車を作るのに買った部品の製造にかかるものであっている?

そう、自社の外で発生するけれど、自社の事業活動に関係する排出量だよ。

自社の外なのに、自社の排出量として考えるの?

そう。
例えば、商品を作るために仕入れた原材料の製造時に出た排出量や、販売した製品をお客さんが使うときに出る排出量などが含まれる。

お客さんが使うときに出る排出量も?
なんだかかなり広いんだね。

だからスコープ3は計算が難しいんだ。取引先や利用者の活動まで関係してくるからね。
スコープを身近な例で考える

ちょっと具体的に考えてみたい。

じゃあパン屋さんで考えてみようか。

パン屋さんかぁ。

スコープ1は自分で出したものだったよね。

じゃあ、パン屋さんが店内のオーブンでガスを使ってパンを焼いたときに出したものがそうか。

そう、自分のお店で燃料を使っているから直接排出だね。


じゃあスコープ2、これはお店の照明や冷蔵庫で電気を使ったら当てはまるね。

そう、電気会社が発電するときの排出を考えるんだよ。


スコープさんはええと、原材料だっけ。
パンの原材料は主に小麦粉だよね。これが対象?

そうだね。でも原材料だけではなく、
商品を配送する、お客さんがパンを持ち帰る、包装を廃棄する。こうした周辺の排出はスコープ3に関係するんだ。


自分のお店だけじゃなく、前後の流れまで見るんだね。
範囲が広いのはわかったよ。
スコープ1・2・3は足し算してよいの?

このスコープって、各企業ごとに算出していたら、過剰にならない?

過剰?あぁ、全部足し算しても国全体の排出量って感じにはならないよ。

だよね。たとえばスコープ2の発電による排出量は、
発電会社ではスコープ1として排出しているんだもんね。

そう。だから企業ごとのスコープ1・2・3を全部足しても、国全体の実排出量と見ることはできないよ。

足し算したら、その企業に関係する排出量がわかる。
でもその企業ごとのスコープ1、2、3を全て合算しても国や地域の総排出量になるというわけではないんだね。
GHGプロトコルは何のために使うの?

じゃあGHGプロトコルは企業がどれだけ出しているか確認するものってこと?

そう、主に企業が自社の排出量を把握し、削減目標を立てたり、投資家や取引先に説明したりするために使うよ。

企業の環境成績表みたいなもの?

そうだね。どこから多く排出しているのかを見える化することで、削減策を考えやすくなる。

単なる報告ではなく、改善のための道具なんだ。
GHGプロトコルのメリット
排出量を見える化できる

GHGプロトコルを使うと、どこで排出が多いのか把握しやすくなる。

削減すべき場所が分かるんだね。
企業同士で比較しやすくなる

共通の基準で算定することで、企業同士の比較もしやすくなる。

ルールが違うと比べられないもんね。
取引先や投資家への説明に使える

近年は、取引先から排出量の開示を求められることもある。

環境対応がビジネスにも関係しているんだ。
GHGプロトコルの難しさ
スコープ3の算定が難しい

難しいところはどこ?

やっぱりスコープ3だね。取引先や利用者の活動まで関係するから、正確なデータを集めるのが難しい。
算定には前提が必要

排出係数や活動量などを使って計算するから、どのデータを使うかも重要になる。

完全に実測できるとは限らないんだね。
比較には注意が必要

企業規模、業種、算定範囲が違うと、単純比較は難しい場合がある。

数字だけ見て判断すると危ないんだ。
カーボンニュートラルとの関係

カーボンニュートラルとも関係あるの?

もちろん。カーボンニュートラルを目指すには、まず自社がどれだけ排出しているかを把握する必要がある。

測れないものは減らせないってことか。

その通り。GHGプロトコルは、削減活動の出発点になるんだ。
試験対策としてのポイント
ITパスポートや基本情報技術者試験、応用情報技術者試験では、環境経営やサステナビリティ、企業活動の文脈で出てくる可能性があります。
| 用語 | 試験対策ポイント |
|---|---|
| GHG | Greenhouse Gas、温室効果ガス |
| GHGプロトコル | 温室効果ガス排出量の算定・報告基準 |
| スコープ1 | 自社の直接排出 |
| スコープ2 | 購入電力などによる間接排出 |
| スコープ3 | サプライチェーン全体のその他間接排出 |
| カーボンニュートラル | 排出量と吸収・削減などを実質的に均衡させる考え方 |

試験では、スコープ1・2・3の違いを押さえるのが大事そうだね。

そうだね。特に、スコープ1は直接排出、スコープ2は購入電力、スコープ3はサプライチェーンと覚えると分かりやすいよ。
よくある誤解
GHGプロトコルは国全体の排出量を直接計算する基準ではない

GHGプロトコルを使えば、国全体の排出量が分からないんだったよね。

そう、GHGプロトコルは主に企業などの組織が排出量を算定・報告するための基準だよ。
国全体の排出量は、国の温室効果ガスインベントリなど別の枠組みで報告されるんだ。

企業会計と国の統計は別物なんだね。
まとめ
GHGプロトコルとは、温室効果ガス排出量を算定・報告するための国際的な基準です。
企業はGHGプロトコルを使うことで、自社の排出量をスコープ1・2・3に分けて把握し、削減活動や情報開示に役立てることができます。
最後にポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | GHGプロトコル |
| GHGの意味 | Greenhouse Gas、温室効果ガス |
| 主な用途 | 排出量の算定・報告 |
| スコープ1 | 自社の直接排出 |
| スコープ2 | 購入電力などの間接排出 |
| スコープ3 | サプライチェーン全体のその他間接排出 |
| 注意点 | 企業をまたいで足すと重複する場合がある |
| 覚え方 | 排出量を見える化する国際的なものさし |

GHGプロトコルは、企業が温室効果ガス排出量を見える化するためのルールなんだね。

その理解でバッチリ。特にスコープ1・2・3の違いを押さえると、ニュースや企業の環境報告も読みやすくなるよ。

